ソドムの市 // ピエル・パオロ・パゾリーニ監督 (映画)
【注意】以下、グロテスク・暴力的な要素を含む文章となる為、気分を害される方は閲覧をお控え下さい。
ソドムの市 / ピエル・パオロ・パゾリーニ監督 (1975)
1944年ヒトラー占領下の北イタリアを舞台とし
た本作。
大統領、最高判事、公爵、大司教からなる4人の権力者が、街中から集めた選りすぐりの美男美女18人の命を快楽の目的に弄ぶという残酷な物語。
集められた直後に、絶対的権力者からの「お前たちは この世で死んだも同然」宣告は、当人達からすれば絶望でしかないだろう。
物語は主に3部で構成される。
権力者の奥方と思しき女性が、権力者と部屋に集められた美男美女に向け突然物語を読み始める。
途中、その物語を聞き欲情した権力者が、美男美女を欲の捌け口とする。
1部目は「変態地獄」と云う表題である。
強姦や乱交、同性愛と性的快楽の中で思いつくものは何でも行う。
更に美男美女に首輪をはめて犬の様に扱う。途中餌に針を入れて食させる場面が痛々しい。
続いて2部目は「糞尿地獄」
美男美女へ強要するスカトロ行為。
泣き喚く美女に向けて罵り、強制的に糞を食させる。
そして、いよいよ3部目となる「血の地獄」
4人の権力者が交互に中庭の広場へと出向き、従者と共に美男美女へ向け拷問・処刑に興じる。
残りの者は部屋から双眼鏡にてその様子を愉しむ。
ある美女は強姦の後首を括られ、ある美男は舌を切り落とされ、又ある美女は頭の皮を生きたまま剥がされる。
終始ショッキングな光景が続く、容赦ない映画である。
絶対的権力を前に、助ける人間は皆無。1ミリの希望すら断たれる美男美女の絶望感を考えると、何とも恐ろしいシチュエーションである。