丑三つ村 // 田中登監督 (邦画)

【注意】以下、グロテスク・暴力的な要素を含む文章となる為、気分を害される方は閲覧をお控え下さい。

丑三つ村 / 田中登監督 (1983)

実際に昭和13年に起きた津山三十人殺し事件の内容に基づき映画化した作品。主演は今は亡き名俳優 古尾谷氏。

学力優秀で女性からも人気のある主人公は、兵士として志願するも持病を理由に戦争に参加できず。
その事が理由となり村八分となった主人公が村人全員に復讐する物語。

犯行直前の「祖母より先には死なない」との約束通り、祖母を首で跳ねた直後の「いぬまるつぎお万歳」のシーンは彼が夜叉となった瞬間である。

その後、村人に復讐を実行するラスト数十分は凄まじい緊迫感である。

ただ、エンディングのBGMはそれを洗い流す程に哀愁が押し寄せる。

世界を震撼させた大量殺人事件である事は間違い無いが、本作を観た直後は恐怖以上に悲嘆の念が湧く。