シラコのしたたり

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オールナイトロング // 松村克弥監督 (映画)

【注意】以下、グロテスク・暴力的な要素を含む文章となる為、気分を害される方は閲覧をお控え下さい。

 

 

オールナイトロング / 松村克弥監督(1992)

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90年代によく目にした大胆な外装のレンタルビデオ店。最近ではあまり見かけなくなったが、小学生の時に家の裏にやはりそんな店があった。

当時の邦画ホラーコーナーは、奇抜なVHSジャケがびっしりと面出しされているのだから、子供にとって悍ましい場所でもある。

そんな場所で、ある作品の裏ジャケの文章を読みショックを受け、同時にとても引き込まれた。そして気付いたらカゴに入れていたのだ。

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踏切待ちの男性3名に女子高生、そこにくたびれたサラリーマンが1名現れる。突然女子高生に白紙の紙を見せ「この場所を教えてください」と尋ねる。女子高生も不審に思い無視を貫く。

すると、「だからここなんだよ!」とサラリーマンが女子高生をめった刺し。

この映画が一瞬にして凍りつくところから、この作品は本当の意味で始まる。

 

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たまたま事件現場に居合わせた男性3名はその後親交を深め、それぞれのガールフレンドを連れホームパーティーをする事になった。

1人は金持ちだがイマイチモテない健介。

もう1人は少しやんちゃだが芯がありコミュニケーション能力もある好青年慎治。

そして、内気で女性経験0のガリ勉タイプ徹也。

この3人それぞれが連れてこようとしていた女性を巡りトラブルに見舞われることをきっかけに、ストーリーは更に動き出す。

 

慎治が連れてくる予定のガールフレンドが不良達に襲われ強姦されたことから、慎治は復讐を決意。他2人も手伝う事になり3人は不良の溜まり場へ車を走らせる。

 

途中、ガリ勉徹也がやっぱり下りると。

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ふと他の映画が浮かんだ。

 

アメリカの黒人ギャングを題材にしたBlack Movie「Boyz n the Hood」で、敵対ギャングへの報復に向かう途中のシーンで同じ光景があるのだ。

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主人公が下車し復讐から下りると。

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葛藤の末の決断で注目シーンでもある。

 

脱線してしまったが、ガリ勉徹也の場合は結局復讐に参加する。

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結果、血を血で洗う容赦無用の惨劇が始まる。

 

オールナイトロングに登場する不良達は本当にモラルが無く残虐性と嫌悪感が物凄い。

それ以上に、主人公の報復は札束クラスの釣りが返ってくる。これぞ松村監督のオールナイトロングである。

 

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余談だが、健介が電話帳を見ながら女性を片っ端から誘うシーン。断られた女性の番号を横線で消していくのだが、次に繋げる気は無いのだろうか。そして、この時代の男性はこれが普通なのだろうか。