ダンスマカブル2 // 大西巷一 (漫画)
【注意】以下、グロテスク・暴力的な要素を含む文章となる為、気分を害される方は閲覧をお控え下さい。
ダンスマカブル2 / 大西巷一 (2011)
〜西洋暗黒小史〜
拷問・処刑の歴史を漫画で分かり易く、また痛々しく描かれたダンスマカブルの2作目。
本作は大まかに3部で構成される。
①聖なる怪物ジル・ド・レ
権力者による快楽の吐け口は徐々にエスカレート。連れてきた美少年達を犯すだけでは飽き足らず、様々な方法で命を奪う姿はダンスマカブル史上一二を争うサドぶりである。
②暗殺の天使と首切りの紳士
職務を全うする死刑執行人が、ギロチン処刑される女の子とのコミュニケーションの果てに感情移入してしまう濃密なストーリー。
本作は残虐描写は比較的少なめとなるが、こんなに死んで欲しくない。と思う死刑囚は漫画史上…まあ結構いるか。
③魔女狩り将軍
魔女狩りを題材とし、罪無き女性が拷問の末処刑される話は度々目にするが、なぜ魔女が悪しき存在なのか。その理由が本作により明確となった事は個人的に大きい。
※以下、作品から要約↓
元来魔女は薬草の調合や民間療法など生活の知恵をもたらす「賢い女」と呼ばれ世間で受け入れられた。
近世になり魔女は極悪の異端であると論証し、魔女の危険性と裁き方を解説した書物「魔女への鉄槌」は聖書に次ぐベストセラーとなったことが魔女迫害の大きなきっかけとなった。と記されている。
残虐描写により現実性が増し、それでいて歴史を知る事ができる有意義な一冊である。