Angst // ゲラルト・カーグル監督(映画)
【注意】以下、グロテスク・暴力的な要素を含む文章となる為、気分を害される方は閲覧をお控え下さい。
タイトル:アングスト/不安
監督:ゲラルト・カーグル監督
公開:1983年
オーストリアで起きた殺人事件をソースに描かれた本作。
ソースとなる事件は1980年に犯人の仮釈放中に起きたものであり、犯人は服役中に自ら醸造した酒を販売し得た資金で出所後にガス銃を購入し犯行に及んだと云う。
事件の犠牲者となった一家は拷問の末惨殺された。特に25歳の娘は7時間から11時間に亘り拷問を受けたと云う非常に凄惨な事件である。
本編では出所後に被害者宅に侵入した主人公の犯人が、母、足の不自由な息子、娘を監禁し亡き者にしていく様子が描かれる。
犯行の様子は元より、犯人の場面ごとの細かな心情がモノローグ形式に視聴者に伝えられる。
その一方で被害者家族からはリアリティある台詞が発せられる。
オチは記載しないが、犯行後に遺体をトランクに乗せ、行き先のレストランでエンディングを迎える。
常人では理解し難い犯人の心情が、繊細かつリアルに視聴者に伝えられる作品となる。
しかしながら、この犯人にとって是が常識なのだろう。